今回は、現在メインで使用しているイヤホンのレビューです。
一番最初にざっくりとしたレビューを書きましたけど、もう少ししっかりと書きたいなと思ったので、詰め込んでみたいなと思います。
長くなりそうであれば複数回で書ければと思います。
個人的 Shure のイメージ
Shureは私がイヤホンを探し始めていた頃、かれこれ10年以上前でしょうか。そのときは「マイクと言えばShure」程度の認知でした。
当時もイヤホンをすでに製造していたと思いますが、高額だった印象で全く手が出るような代物ではなかったです(まあ、プロユースのイヤホンですから当然といえば当然なのですが)。
※Shureといえば、マイクで超有名な会社です。
過去に使ってたイヤホン
学生の頃は、1500~3000円程度の Sony や Audio Technica 製のイヤホンを使っていました。
就職してから、初めて10000円以上のイヤホンを購入したのが Etimotic Research の 「ER-6i」でした(購入履歴を確認したら2007年でした)。当時はドライバ構成など全く知らずに購入していましたが、あのイヤホンが初めて買ったシングルBAドライバのイヤホンでした。あの時も音のバランスの良さに感動したのを覚えています。残念ながら3年ほどで断線してしまい、また間が開いて兄弟機の「ER-6」を別途購入して今も時々引っ張り出して使っています。このイヤホンは6年選手になってます(2012年購入)。2013年頃まではEtimotic Research のイヤホンをメインで使っていましたが、去年(2017年)まではAppleのEar Podをはじめ、Radius の HP-BKS21 や BOSE の True Sound Ultra とかをメインに使用していました。そして今年に入ってから急に本格的にイヤホンを新調しようかなぁと思い始めていたのですが、なかなかピンとくるものがありませんでした。
Shureのイヤホンとの出会い
そんなときに調べてネット上で評価が高いなと思ったのがShure のSE-215SPEでした。
mmcx接続で
リケーブル出来るというところに一番の魅力を感じました。これは私みたいに有線で音楽聴いたり、スマホでデレステやミリシタなどの音ゲーやったりする人間にとっては断線して音が聞こえなくなるのがイヤホンとしては一番の敵です。その点がクリアできるならと、純正ケーブルの金額等々をチェックして一番コスト安くなる組み合わせとして、Bluetoothケーブルタイプの「SE-215SPE-BT1」をチョイス。これに交換用有線ケーブル「RMCE-UNI」を追加する形で購入しました。
ターコイズブルーの透明感あるクリアシェルで中の構造が見えます。こういう所は、メカ好きな男性は魅力を感じるのではないでしょうか。
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SE-215SPEとRMCE-UNI |
ミドルクラスへのステップアップ
SE-535LTDは、ずっと1~2万円程度のクラスのイヤホンを使ってきていた、私にとって5万円クラスのミドルクラスへステップアップとして選んだ製品です。
赤のクリアボディが製品のインパクトを強めてくれています。Shure製イヤホンの外見として一番の魅力的なところです。
ステップアップの段階で調子乗りすぎてしまい、自分の頭の中でのチューニングが狂ってきてしまったなと感じた(バランス接続にこだわりすぎて自爆した)ので、一旦脳内をリセットするためにアンバランス接続である純正ケーブルに戻しました。イヤーチップはfinalのType Eに変更していましたがLサイズでも音がスカスカになっていたので、イエロー・フォーム・スリーブを使用しています。Shureの純正イヤーピースは、Lサイズが極端に大きいので私の耳に合いませんでした。未だにイヤーピースに関して紆余曲折しています。なぜか、SE-535LTDで音楽を聴いていると、イヤーピースも合っているはずなのに低音抜けなどが気になることが多いです。
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SE-535LTDと純正ケーブル |
基本情報
- メーカー:Shure
- 製品名:SE-215 Special Edition / SE-535 Limited Edition
- スペック
SE-215SPE:https://www.shure.co.jp/products/earphones/se215
SE-535LTD:https://www.shure.co.jp/products/earphones/se535
- イヤーピース:ソフト・フォーム・フレックス他
https://www.shure.co.jp/products/accessories/earphones?filter[related_product_categories]=earphone&filter[accessory_categories]=earphones_sleeves
適合するコンプライのシリーズはT-100、final Type Eも使用できます。
ドライバ構成
- SE-215SPE:1DD, 1Way
- SE-535LTD:3BA(2Low + 1High), 1Way
楽曲試聴
試聴環境
- DAP:Sony NW-WM1A(バランス、アンバランスともに200時間オーバー)
- 接続:アンバランス接続
- 音量:50/Max.120
- イコライザー等:ソースダイレクト ON(フラット再生)
試聴曲
楽曲試聴は、今回以下の4曲チョイスで聴いてみます。CD音源、MQA音源(ハイレゾ)、FLACハイレゾ楽曲です。ゲームミュージック、JAZZ、ボーカル楽曲とバランスの良いチョイスだと思ってます(笑)
- SPACE INVADERS 2017 [reZonance world ~ZUNTATA 30th ANNIVERSARY~](16bit/44.1KHz/FLAC)
- Maiden Voyage [Maiden Voyage/Herbie Hancock](352.8kHz/MQA)
- 永遠の花 [THE IDOLM@STER LIVE THE@TER FORWARD 03 Starlight Melody](24bit/96kHz/FLAC)
- brave HARMONY [THE IDOLM@STER LIVE THE@TER FORWARD 02 BlueMoon Harmony](24bit/96kHz/FLAC)
試聴所感
今回はSE-535LTD→SE-215SPEの順に試聴しています。
音量はSE-535LTDを基準としています。有線だとSE-215SPEはSE-535LTDに比べて同じ音量レベルでも若干小さく聞こえます。
SE-215SPE
- SPACE INVADERS 2017
リズを刻む低音の頭ひとつ押し出された印象を受けます。SE-535LTDよりも低音を強く押し出した感じとなり、SEも奥へ引っ込んだ印象。その分メロディラインが前面に出てきていて中低音を聴かせる楽曲に様変わりしています。
- Maiden Voyage
SE-535LTDに比べ、落ち着いてしまった印象です。響きも収まってしまい、サックスやトランペット、ピアノの中高音が主体になり、ドラムスやコントラバスなどの低音域が引っ込んでしまった印象です。録音によって印象変わるなと思いました。
- 永遠の花
Mainden Voyageと真逆でSE-535LTDに比べて、音が少ない場面だとドラムスの低音が強く響きバランスが良くなっています。ただ、サビの部分でボーカル、ギター、ストリングス、ドラムスの全てが混ざり合うと解像度が落ちてしまって、溶け合いすぎてしまった印象を持ちました。
- brave HARMONY
数多く音が重なり合うと、ドラムスの音が引っ込んでしまうなと思いました。このあたりはSE-215SPEの特徴なのかなと思います。
SE-535LTD
- SPACE INVADERS 2017
リズムを刻む低音、効果的に楽曲を彩るインベーダー特有のショット音やUFO等のSE、シンセサイザーのメロディ等々どれもバランス良く響かせてくれます。
- Maiden Voyage
ハービー・ハンコックの代表曲である楽曲ですが、収録時のポジションがよく分かる楽曲です。この曲で印象に残るのはドラムやコントラバス、ピアノの残響です。SE-535LTDで聴いていると【耳で聴いている】感じがとても強く残ります。
- 永遠の花
豊川風花役の末柄里恵さん、周防桃子役の渡部恵子さん、馬場このみ役の高橋未奈美さんによるトリオによる楽曲。3人のステキな中高音域の歌声が優しく響くのはもちろんのこと、ストリングスの響きと余韻が伝わってきます。
- brave HARMONY
ミリオンライブ BlueMoon Harmony 12名による楽曲。大人数による歌声の溶け合った響きが持つ楽曲ですが、その分他の楽器やメロディーが聴き取れないということがイヤホンによってはあるのですが、SE-535LTDだとそれがほとんど感じられません。バックのメロディ低音のリズムなどもしっかりと意識をフォーカスすれば聴き取れます。
全体の所感
SE-215SPE
ダイナミックドライバ1基ということで、マルチドライバのイヤホンに比べ若干パワーに欠ける点があるかと思います。ドライバのサイズは目視で約6.5mm。以前紹介したVOZA の V100-S よりもドライバサイズよりも小さいためパワーが抑えられているのかなと思いました。この点はハウジングの設計とも関係するでしょうし、Shure の設計思想に含まれているのではと思います。
個人的にダイナミックドライバのイヤホンはリスニング向けの製品だと思っています。Bluetoothケーブルの「RMCE-BT1」との相性は抜群で、SE-215SPEのパワー不足をケーブルのアンプ部が十二分に補ってくれますので、Bluetooth ケーブルとの組み合わせが良いのではないかと思います。
※現在は、スマホでの楽曲を聴く場合はSE-215SPE+RMCE-BT1の組み合わせでメインに使用しています。
SE-535LTD
SE-215SPEに対して、ドライバ構成から異なるSE-535LTDですが複数のBAドライバで構成された製品なので、各周波数をバランス良くそしてフラットに聴かせてくれるイヤホンだなと思います(まさにモニター向けの製品)。アジア地域向けに高音域の周波数バランスを調整されたモデルのようです。箱出しから200時間、300時間と長期間使用していってようやくShureが狙っている本来の調整の音に近付いていくのかなと約半年使い続けてきて思います。200時間程度まででは、高音域の刺さりが気になっていました(
過去の投稿の後半部分で若干触れています)。現在ではSE-535LTD単体でも再生時間400時間は超えたかと思いますが、高音域の刺さりがようやくなくなりました。以前から高音域がキツかった【ジレるハートに火をつけて】でそれを確認出来ただけでも大きな発見でした。
改めて大切なこと
エージングという名の「慣らし運転」には時間がかかります。自動車のタイヤや新車でも「最低100kmは慣らし運転」という格言があります。良い製品であればあるほど、本来の性能を発揮するには手間も時間もかかります。
皆さんも気に入った製品は根気よく付き合ってあげてみてください。