2020年8月15日土曜日

ASUS ROG Zephyrus G14 GA401 レビュー(Not ゲーマー視点)

お久しぶりです。

気付けば1ヶ月。お盆の時期になってしまいました。8月に変わった途端急激に気温が上がって、茹で上がってしまいそうです。みなさんも熱中症や脱水症状にお気をつけください。
というのも先日、久しぶりに新車のバイクの慣らし運転を兼ねて秋葉原に行ったのですが、到着時点で軽く脱水症状に似た状態を自覚したので、すぐに水分補給と冷却に努めました。身体の冷却マジ大事です。

さて、話が逸れました。

今回は追加でノートパソコンを購入したので、その使用感をざっくりレビューしようかなと思います。ただ、基本性能に関してはごまんとレビューがインターネットに溢れていますので、「ソフト開発をするなら」という点で着目してレビューしたいなと思います。


今回のターゲット

今回レビューするのは、【ASUS ROG Zephyrus G14】です。

ハードの性能だけで比較したら間違いなく2020年の14インチ以下ノートパソコン部門(2020年8月現在)最強スペックのノートパソコンです。


ラインナップ

ラインナップは以下の通り。詳細は、製品ページへのリンクを付けていますので、そちらをご確認ください。

  1. GA401IV
    G14の最上位モデル。主力のCPUにAMD Ryzen™ 9 4900HSを搭載し、GPUに
    NVIDIA® GeForce RTX™ 2060 Max-Q (NVIDIA® Optimus™ Technology対応)というモデルです。Anime Matrixを搭載している機種は、天板にあるLEDディスプレイに色々表示できます。
  2. GA401IU
    G14の主力モデル。CPUはAMD Ryzen™ 9 4900HSとAMD Ryzen™ 7 4800HSから選択できるモデルで、GPUはNVIDIA® GeForce® GTX 1660 Ti Max-Q (NVIDIA® Optimus™ Technology対応)です。
  3. GA401IH
    G14の廉価モデル。CPUはAMD Ryzen™ 7 4800HSとAMD Ryzen™ 5-4600HSから選択します。GPUはNVIDIA® GeForce® GTX 1650 (NVIDIA® Optimus™ Technology対応)です。このモデルはメインメモリは8GBになっています。
  4. GA401II
    CPUはAMD Ryzen™ 7 4800HS、GPUはNVIDIA® GeForce® GTX 1650 Ti (NVIDIA® Optimus™ Technology対応)です。
ちなみに AMD Ryzen™ 9 4900HS を搭載したモデルは6ヶ月間の限定製造だとか。販売は5月からでしたので、秋頃にはAMD Ryzen™ 9 4900HS搭載モデルは製造終了するかもしれませんね。

基本情報から見た注目点

基本情報から見ても分かるとおり、このノートPCの一番の注目点はCPUにモバイル用のAMD Ryzen™プロセッサーを採用している点です。しかも、最上位のAMD Ryzen™ 9 4900HS をラインナップに採用しています(ただし期間限定のようです)。
詳細な基本情報に関するレビューは割愛します。他で検索すると色々な方がこの機種のレビューをしているのが分かるかと思います。
ソフトウェア開発で着目するなら、カタログスペック上はどのソフトウェア開発(コンソール、Web、ゲーム等々)にも過不足なく応えられるモデルだと思います。

今回購入したモデル

今回購入したモデルは G401IV の Anime Matrix非搭載、FHD 120Hz ディスプレイ搭載モデルを選択しました。ソフトウェア開発用として主点で見た場合、WQHDも選択肢としてあるかと思いますが、以下の点で選択肢から外しています。
  • ソフトウェア開発用のPCにAnime Matrixは不要。
  • WQHDだとフォントが小さくなりすぎて、意外にしんどくなったのを経験しているのでFHDで。
  • 主な開発がWebベースに移行し始めていたので、極端に高解像度のディスプレイは不要になった。
40代に突入すると、20代だと見やすかった文字サイズがどんどん大きくなる傾向があります(まわりのベテラン開発者さん達に聞くと尚更実感します)。実際に以前使用していたマウスコンピュータの機種は13.3インチのWQHDディスプレイ搭載モデルでした。約5年間フルで動かしていたのですが、3年くらい経ってフォントのサイズが結構辛くなったのを覚えています。最終的に基本フォントサイズを18くらいまで大きくしていた気がします。高解像度になるとフォントの調整が非常に難しいです。開発のしやすさだと、FHDモデルを使った方が良いかなと思います。
ぶっちゃけ、コードを一望したいなら別途ディスプレイを購入して、縦置きした状態で使用した方がよさそうです。この機種の場合、FHDモデルとWQHDモデルの価格差分で新しいディスプレイが買えます。

本機種で良いと思える点

本機種の一番の特徴として以下が挙げられます。
  • 余計な機能を極力省いた。
私の方で見てきただけでも以下の点が挙げられます。
  • 最新のCPU搭載
    • 最新のモバイル用 Ryzen 9 CPUが搭載されている唯一のモデルです。
    • 高性能CPUなので、サイレントモード(省電力モード)でもほとんどストレスなく運用できるのは魅力です。
  • 基本スペックの高さ
    • 最低構成でも Ryzen 5, 8GB, 512GB SSD, Geforce GTX 1650とゲーミングだけの用途であれば、必要十分なスペックを秘めたラインナップが揃っています。
    • CPU自体の内蔵グラフィック機能も高性能なので、サイレントモードでも国産ギャルゲーなどのADVはストレスなくプレイ可能です。
    • 高性能な構成で軽いアプリケーションを動かすのも意味があります。
  • キーボードレイアウトがゲーミングに必要な機能に特化。
    • Home / End, Page Up / Page Down などテンキーレスモデルのキーレイアウトでもゲームプレイの用途ではほとんど使わないキーを省いています。
    • この点は、開発というか普段使いには不便な点も。その辺は後述。
  • Webカメラやマイクが非搭載。
    • Windows Hello は指紋認証にて対応。
    • Web会議やチャットは音声のみで十分なの人にとってはメリット。
  • SDカードスロットが非搭載。
    • 個人的には、数多くのノートPCでSDカードスロットのない機種がほとんどないのが一番の不満でした。だって、使わないでしょ?デジイチ使っている人なんかは通常CFですし(エントリー機種はSDカードですが)、普通は別途メモリカードリーダーを用意しているもんです。いちいちノートPCに用意しておく必要はないと思います。DVDドライブと同じですね。必要に駆られたら用意すれば良いだけのことです。はじめから搭載されているメリットが現在失われています。
  • USB-C PD対応
    • もしかしたら、本機種の一番の目玉かもしれないですね。本機種は左のUSB-CポートがPD対応しており、USB-C経由で充電が可能です。60W以上のUSB-C充電器であれば電源接続してくれます。
    • 100Wでもパフォーマンスモードなどの場合は供給が追いつかなくなり、消費される一方でしょう。サイレントモードで運用する場合にはPDは良い選択肢になると思います。
    • 私の把握している部分ではありますが、一部のUSB-C接続の充電器では本体側から高周波が発生しかなり不快になります。身体的な不調を来すので、そのような状況が発生した場合は別製品に変更するなどを検討した方が良いでしょう。
      • 製品個体差であれば良いんですが。

開発用として採用しなかった理由

ただ、今回の機種は開発用途には向かないなと思いました。1週間使えば、カタログスペック上から見えてこなかった使いにくい部分が往々にして出てきます。以下が私が開発用としては使いにくいなと感じた点です。
  • Office や エディタで頻用するキーが除外されている。
    この機種を開発に使うのは止めようと思った一番の理由です。思っていた以上に使用できないキーが多かったです。Fnキーとの組み合わせで使えてくれれば良かったのですが、それもなかったです。
    ※現在メインの開発用として使用しているドスパラのGALELLIAノートは以下のキーも付いているので、安定して使用できています。
    • Home / End キー
      エディタで行頭、行末へのカーソル移動で多用します。私の場合は、更にファイルの先頭・ファイルの最後への移動等々、恩恵にあずかっているところが多く、このキーがないと、作業効率激減です。
    • Page Up / Page Down キー
      Webブラウザーのページスクロールに必須です。これないとマウスでページスクロールを余儀なくされ、意外にストレスが溜まります。
      また、Excel でワークブック内のシート切替やVS Codeでのファイルタブ切替は Ctrl + Page Up / Down キーで行っているので、開発作業中でこの切替が出来ないとまたストレスが溜まります。
  • 発熱が想像以上にヤバイ。
    この機種はデフォルトでWindowsモード、サイレントモード、パフォーマンスモードの設定を選ぶことができるのですが、パフォーマンスモードに設定して3Dゲームなどをプレイした場合、一気にCPUとGPU、そしてSSDの温度が70℃を超えてしまいました(ノートPCクーラー未使用時)。これだと、さすがに室温どうの関係なく、マザーボードやSSDへのダメージの方が心配になってしまいます。パフォーマンスモードを使用するときはノートPCクーラー必須で、外出中など電源が取りにくい場合は必然的にサイレントモードで運用する必要がありそうです。
    CPUパワーは十二分に強力ですので、コンパイル等のパフォーマンスはサイレントモードでも全然困ることはないと思いますが、BRIX-PROのようなゲーミングベアボーンのような運用の仕方(SSDへのダメージを心配する必要が出た)を余儀なくされてしまうのはいささか不本意でした。
    • ストレージの極端な発熱は、非常に良くありません。簡単にデータが飛びます。
    • 極端な熱は、人間にとってもデータにとっても最大の敵と思いましょう。
  • カスタマイズ性が若干乏しい。
    20年PCを触っていて、ここ10年間ほぼノートPCのみで過ごしてきた身としては、絶対コレできなきゃ困るってことをチェックするのですが、それが「メモリとストレージのカスタマイズ(交換)できるか」です。理由は以下2点です。
    • ストレージは運用していけば、すぐ足りなくなる。
      最近は512GBのSSD搭載機種が主流になりましたが、開発のみで運用としたとしてもすぐにストレージは容量が足りなくなります。SSDをはじめとしたストレージは空き容量が半分を切ると、パフォーマンスが落ちると言われています。なので、SSDであっても空き容量は100GB以上は確保できるように運用しています。このため、別途SATAやNVMeの空きスロットがあるといいのですが、この機種に関しては、NVMe SSDスロットが1スロットのみで容量を増やす場合は必然とSSD自体の入れ替えを行う必要があるので、ハードルが高いなと思います。
      外付けという運用もありますが、外付け利用はできる限りバックアップのみの運用にしておくのが良いかなと思います。
    • メモリは開発者にとって「人権」。
      重要なことなのでもう一度言っておきます。
      メモリは人権!
      開発者にとって、メモリは人権です。最低16GB搭載モデルで運用したいところです。特にWindowsで開発する場合、モバイルをはじめとしたネイティブアプリを開発する場合だと、エミュレーターなどを動かしたり、MySQLやSQL ServerなどのDBサーバーを動かすこともあるでしょう。その場合、必然とメモリを消費していくので、あっという間に消費メモリ10GB超えることも珍しくありません
      ※以下は、私のガレリアノートでchromeなどを開いただけの状況ですが、常駐物等々を含めると圧縮せずに10GB超えているのが分かるかと思います。

      こういう状態になるので、会社で提供されたPCがメモリ8GBだったときのPCのパフォーマンスが悪いのは推して知るべきでしょう。極端に遅くなり、応答が返ってくるまで数分ということもあったりしますので、精神的によろしくありませんし仕事になりません。
      本製品は、8GBはマザーボードに直付けされており、拡張スロットは1スロットのみ。現実的な拡張は16GB or 32GBメモリ1枚を差し替える形で24(16+8)~40(32+8)GBです。できれば2スロットまるまる交換できるようになっていた方が良かったなぁと思います。そうであれば、現状のノートPCで載せられる最大64GBを試せたのにと考えてしまいました。
      • ソフトウェア開発会社でメモリ8GBのPCを提供しているところは要注意です。それが許されるのはスクリプト言語のみでWeb開発しているところだけです。それだけで開発効率を半分にしていることを知ってください。
      • メモリ8GBの製品を買っていい場合は、メモリをすぐ載せ替える前提のみです。
上記のような理由、特にキーボード入力の不満要素が大きく出てしまいました。キーボードだけでも思っている以上に開発効率が変わりますので、これからソフトウェア開発をしようと思っていてノートPCを買おうと考えてる方々はご注意いただければと思います。

総括

素晴らしいスペックの製品なだけにゲーミングだけの用途は非常にもったいない製品だなと思いました。なので、削られたキーが(私の場合)効率が激減してしまうキーだったのが致命的でした。
この機種の結論は、
ソフトウェア開発やオフィス用途には不向きだが、ホビーユースなら一級品。
というところに落ち着きました。
ASUSのROGシリーズは、製品ラインナップを見るとかなりとがった製品をどんどん導入するイメージがあります。先月には ROG Zephyrus Duo 15 という、ROGシリーズで更に上を行く変態機種が出ましたが、これはさすがにクリエイター向けとしてもコストパフォーマンス良いのか疑問に残ったりします。ですが、非常に意欲のある製品をどんどん導入しているので、ハイエンド向けの製品で個性の光る製品が欲しい場合、このROGシリーズは選択肢としていいのではないかなと思います。
本製品は、色々ゲームをインストールしたりしてホビーユースで楽しみたいと思います。

ASUSの製品ページ

ASUS ROG Zephyrus G14 GA401 レビュー(Not ゲーマー視点)

お久しぶりです。 気付けば1ヶ月。お盆の時期になってしまいました。8月に変わった途端急激に気温が上がって、茹で上がってしまいそうです。みなさんも熱中症や脱水症状にお気をつけください。 というのも先日、久しぶりに新車のバイクの慣らし運転を兼ねて秋葉原に行ったのですが、到着時点で軽く...