個人事業主で活動していると、この時期(3月)は確定申告の作業に追われて、落ち着くまで案外時間がかかります。
今年も申告の手続きも終了し、ようやくブログの方に手を入れられます。
今回は昨年から本格的にブームになりつつある、「左右分離型イヤホン」の話題に触れてみたいなと思います。
「左右分離型イヤホン」ですが、昨年から一気に盛り上がって一部家電量販店では専用のコーナーも用意されるようになりました。一気に種類は豊富になり、実用的な製品はもちろんのことファッション性の高い製品まで種類が一気に増えました。
イヤホン界隈でここまで一気に増えるのは久しぶりの傾向なのではないかと思います。
最近は中国等を含めた小さなブランドからの商品も多く、私が購入している商品も全てTELECの技適認証を受けており、電波法に引っかからず安心して使えます。一昔前でしたら技適認証の取得もままならず結局日本国内で発売されなかったBluetooth搭載の製品も多くありましたので、記憶に残っている方も多いことでしょう(特にスマホなどの端末)。
今回は私が元々個人的に使っている製品と今回気になった製品を数点ピックアップして購入しましたので、比較レビューみたいなことをしようと思います。
ただ、私の場合過去の記事を参照してもらえれば分かるかと思いますが、長めのレビューになってしまいますので何回かに分けようかと思います。
今回は以下4点をポイントにまとめようかと思います。
(1)比較対象のイヤホンと基本情報
(2)実際の接続性、音質
(3)ゲームでの音声遅延
(4)総評
今回の比較対象イヤホン
さて、今回の比較対象イヤホンはこの5機種です。
- BOSE SOUNDSPORT FREE(2018年2月購入)
- 言わずと知れた『左右分離型イヤホン』のリーディングヒッターという製品です。Sound Ultraからの特徴的なウィングつきのイヤーピースと本体のスポーティなカラーリングが目を引きます。2017年の発売当初から話題となっていて欲しいと思っていたのをようやく2018年の2月に購入しました。
- マルチファンクションボタンとボリュームボタンが別になっているのが特徴でボタンの感度は固め。しっかり押す感じで操作しないと反応してくれません。
- iKanzi TWS-X9(2019年3月購入)
- 新規で入手した中国ブランドの『左右分離型イヤホン』です。ケースのバッテリーが一線を画した大容量なのが特徴です。
- 本体は静電タッチ式スイッチで非常に操作がしやすいのがポイントです。
- SOUNDSPORTS FREEとは逆でボタンの感度が良すぎるので、うっかり手で触れたら、再生中の曲が停止するなんてことがよく起きます。
- Cosomi Hi-TWS(2019年3月購入)
- TWS-X9 と同じく新規で入手した中国ブランドの『左右分離型イヤホン』です。こちらもケースのバッテリーが一線を画した大容量なのが特徴です。
- 本体は静電タッチ式スイッチで非常に操作がしやすいのがポイントです。
- またイヤホン本体のスイッチ部分はイルミネーション加工されており、動作中はゆっくりと明滅します。
- NUARL NT100(2019年3月購入)
- 日本の NUARL ブランドの比較的お安いモデルです。
- バッテリーケースがソフトレザー加工されており、ちょっとおしゃれです。
- 防水モデルとしては使いやすいモデルではないでしょうか。
- SkullCandy Push Bold Tangerine (2019年3月15日購入)
- 今回のレビューに含める予定になかったのですが、発売日に入手し、タイミングも良かったので、含めることにしました。SkullCandyファン待望の左右分離型です。
- 後述する Chrusher とはまた毛色が異なる製品かと思います。
- 今回レビューする中で唯一充電ケースがUSB-Cの製品です。
- ハードのスイッチタイプの製品です。
- 3月のみ製造の限定色を選んでみました。
- (おまけ) SkullCandy Chrusher Wireless(2018年12月購入)
- ヘッドホンにウーハー入れちゃったイカしたモデルのヘッドホンです。
- 一度でいいから体感して欲しい。ウーハー感度が調整でき、重低音で聴いたりするのにおすすめのモデル。※ライブ音源とかは特にオススメです。
- 1回のフル充電で連続再生40時間という驚異のワイヤレス性能を誇ります。
- 後日掲載しますが、今回のレビュー製品の中でも音ゲーとの相性は抜群に良い製品です。ワイヤレスでどうしても音ゲーをやりたい方は参考に。
6機種まとめてレビューとか初めてですよ。時間かかりそうです。
「左右分離型イヤホン」について、私自身は昨年からすでにBOSEのSOUNDSPORT FREEをよく使っています。ただ、ミリシタなどの音ゲーをよくスマホなどでプレイするので、そうなるとコーデックによる遅延がネックとなり、結果的に有線でプレイすることが多くなっていました(ShureのSE-535など)。
ただ、最近はBluetoothのバージョンもあがり、通信性能も向上しているようで、多少のストレスはあれど無線でもプレイできるようになっています(自分の身体が)。Bluetoothの話は後述したいなと思います。
基本情報
それでは、各製品のスペックを確認してみたいなと思います。
- BOSE SOUNDSPORT FREE
- サイズ(イヤホン本体):W 25 mm x H 32 mm x D 30 mm (18 g/ペア)
- サイズ(ケース):W 100 mm x H 38 mm x D 48 mm (80 g)
- Bluetooth: 非公開(4.2)
- 対応コーデック:非公開(SBC)
- 防水:IPX4
- 連続再生時間:約5時間
- ケースの充電回数:2回(約10時間分)530 mAh
- ケースによる充電時間:2時間
- 片耳接続:不可
- ファームウェアアップデート:対応
- iKanzi TWS-X9
- サイズ(イヤホン本体):非公開 (7 g/ペア)
- サイズ(ケース):W 80 mm x H 54 mm x D 33.3 mm
- Bluetooth: 5.0
- 対応コーデック:SBC, AAC
- 防水:IPX7
- 連続再生時間:約3~4時間
- ケースの充電回数:約20回(約80時間分)2200 mAh
- ケースによる充電時間:2時間
- 片耳接続:可
- Cosomi Hi-TWS
- サイズ(イヤホン本体):非公開 (8 g/ペア)
- サイズ(ケース):非公開(iKanzi TWS-X9とほぼ同じくらいのサイズ)
- Bluetooth: 5.0
- 対応コーデック:SBC, AAC
- 防水:IPX7
- 連続再生時間:約4~6時間
- ケースの充電回数:最大60回(約130時間分)4000 mAh
- ケースによる充電時間:2時間
- 片耳接続:可
- NUARL NT100
- サイズ(イヤホン本体):W 25.1 mm x H 26.8 mm x D 17.0 mm (8 g/ペア)
- サイズ(ケース):W 85.0 mm x H 41.0 mm x D 43.0 mm (80 g)
- Bluetooth: 5.0
- 対応コーデック:SBC, AAC
- 防水:IPX7
- 連続再生時間:約4時間
- ケースの充電回数:約5回(約20時間分)800 mAh
- ケースによる充電時間:1.5時間
- 片耳接続:不可
- Skullcandy Push Bold Tangerine
- サイズ(イヤホン本体):非公開(8 g/ペア)
- サイズ(ケース):非公開(54.2 g/本体込み)
- ドライバサイズ:9.2mm
- Bluetooth:4.2
- 対応コーデック:SBC
- 防水:IPX4
- 連続再生時間:6時間
- ケースの充電回数:約1回(約6時間分)
- ケースによる充電時間:約1.5時間
- 片耳接続:可(親機のみ)
- Skullcandy Chrusher Wireless
- サイズ(イヤホン本体):非公開
- ドライバサイズ:40mm(アコースティック)35mm(ウーファー)
- Bluetooth: 4.2
- 対応コーデック:SBC
- 防水:なし
- 連続再生時間:約40時間
- 充電時間:約2時間
本体サイズを比べてみる
本体サイズを比べると、一番大きいのは SOUNDSPORTS FREE です。他はどれも似たり寄ったりのサイズではないでしょうか。
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ほぼ真上からの本体。左から SOUNDSPORTS FREE、TWS-X9、Hi-TWS、NT100 |
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若干斜めにしてみて本体を撮影 |
追記:追加で購入したので、Push の比較写真は載せられていませんが、サイズはSOUNDSPORTS FREE とほぼ同サイズです。
※後述の充電ケース比較の写真でサイズ感をご確認ください。
充電ケースを比べてみる
続いて、イヤホンのケースのサイズを比べてみます。実際に手に持ってのサイズ感は SOUNDSPORTS FREE が若干横幅があるくらいで、どのケースも手のひらに収まるサイズです。厚みはどれもほぼ一緒でした。一番コンパクトとかなと思ったのは TWS-X9 です。
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各バッテリーケースの写真。上から SOUNDSPORTS FREE用、TWS-X9用、Hi-TWS用、NT100用 |
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ケースを開いてイヤホンを収納している状態の各種イヤホン |
追記:Push の充電ケース、サイズとしては他の機種と同サイズですが、特筆すべきは「超軽量」であることが挙げられます。他の機種が80 g前後であることに対して、Push は
本体込みで54.2 gと抜きんでて軽いです。
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BOSE SOUNDSPORTS FREE と Skullcandy Push の充電ケースの比較 |
ケース内バッテリーの容量
バッテリーは TWS-X9 と Hi-TWS は抜きんでたバッテリー容量を積んでいて長期出張などには強い味方です。実際、 SOUNDSPORTS FREE だと1~2日に1回は本体の充電が必要ですが、 TWS-X9 と Hi-TWS は使用を開始してから現在10日程度経過しておりますが、初回にフル充電にしてから現在に至るまで(3/4~執筆中段階3/中旬)、バッテリーゲージがようやく1個消えたくらいでほとんど減っていません。
※追記:TWS-X9のバッテリーケースの充電が約2週間(15日間)で切れました。この段階でHi-TWSのバッテリーケースの残りの充電ランプも半分残っていました。このことからスペック表から見て、普段使いであればHi-TWSのバッテリーケースの持続時間は約1ヶ月(30日)充電なしでいけそうです。4000mAhのバッテリー積んでるだけありますね。
※追記2:購入から1か月経過しました。Hi-TWSの充電ケースもようやくすべて消耗しました。推測通りのスペックを出してくれました。
※追記3:Skullcandy Push はスペック通りの充電回数で毎日使う場合は、ほぼ毎日1回は充電が必要です。ただし、単体での再生時間が今回の比較対象の中でも最長の6時間なので困ることはないと思います。
バッテリーケースの充電頻度はおそらく以下のような感じでしょうか。
概ねスペック通りの評価に落ち着きました。新興の中国製イヤホン恐るべしです。
※おまけの Chrusher Wireless はワイヤレスヘッドホンの中でも破格のバッテリー容量を持っています。私も購入してから3ヶ月ほど時間が経過しておりますが、まだ10回も充電していません。
Hi-TWS(約1か月) > TWS-X9(約2週間) > (Chrusher Wireless) > NT100(数日) > SOUNDSPORTS FREE(1~2日) ≧ Push(1~2日)
充電頻度:少ない ← → 多い
また、Hi-TWS と TWS-X9 の充電ケースは2000mAhを超える容量のため、その特性を活かしてモバイルバッテリーとしても機能します。充電ケースにはUSB-A端子が1つ用意されており、そこから1Aで出力されますので、iPhone 7などのスマートフォンも充電できそうです。ただし、最近のスマートフォンは性能も上がってきていますので、使うとしてもいざというときの緊急用として利用し、スマートフォン用にはモバイルバッテリーを別途用意しておくべきでしょう。
磁石の強度
続いてマグネットの強度です。左右分離型イヤホンはその製品の特性上、充電端子がケース内で接地することにより未使用時に充電される構造です。そのため、各社充電を確実にするために充電端子付近に磁石を持たせて、簡単に端子の接触が外れないように工夫しています。
その引き付け合う強度を主観ではありますが、比較してみたランキングは次の通りです。
SOUNDSPORTS FREE > Push > Hi-TWS = TWS-X9 = NT100
磁石強度:強い ← → 弱い
磁石の強度は間違いなくSOUNDSPORTS FREEが一番です。イヤホン1個につき前後2箇所の磁石で、がっちりと動かないように固定しています。Pushも気付かない程度にしっかりと固定してくれていました。それ以外の3機種はどれもそれほど強くないものでした。その代わり、Hi-TWS と TWS-X9 のケースはイヤホンとケースの蓋の空間を少なくして固定させる設計になっています。そのため、若干不安定なところは否めないですが、充電は問題なく行えます。
NT100の意外な欠点
今回使用していて、NT100だけ正常に充電ケースで充電されず、再生を始めて1時間程度で「Battery Low」というアナウンスが流れるという現象が頻繁に発生しました。正しくケース内に収められていたはずだったのですが、これの原因を色々突き詰めていったところ、付属品でイヤホンに初期の段階で装着されているイヤーループがイヤホンを浮かしてしまい、ケース側の充電端子と接触させていないということが分かりました。イヤーループをずらしたり、外して充電するようにしてからは、ほぼ期待値通りの再生時間になり一安心ですが、このイヤーループの存在は少し悩ましいですね。充電するたびに外す羽目になるので面倒かなと思います。せめて、イヤーループの突起部付近は充電ケースでも窪みを付けるなどのひと工夫が欲しかったです。
Bluetoothを比較してみる
SOUNDSPORT FREEとPush、Chrusher Wirelessが4.2、それ以外は5.0です。
Blutoothの仕様で通信速度が向上しているのが5.0とされています。
ただし、こちらについては製品の出来で差違が出てきます。
これらの差違による詳細は接続性や遅延のところでお話しできればと考えていますので、本項では割愛します。
再生時間を比べてみる
再生時間だけで比較すると、今回チョイスしたイヤホンはどの機種も同じくらいの再生時間で最低でも3時間再生はいけます。カタログスペック通りの再生時間は発揮してくれていますので、通勤通学程度(1~2時間)の普段使いが主目的の方は問題なく実用に耐えられるのではないでしょうか。就業中(授業中)はケースに入れて充電しておけば困ることはないでしょう。Pushに至っては6時間以上フルで問題なく連続再生をこなしていました。このあたりを確認しても昨今の製品は店頭に並んでいる製品はどれも通勤の往復などの時間の要求は満たせるのではないでしょうか。2017年頃に販売された製品だと再生時間については厳しい製品もあるかもしれませんが。
- Push (約6時間)
- SOUNDSPORTS FREE (約5時間)
- Hi-TWS (約4~5時間)
- TWS-X9 (約4時間)
- NT100 (約4時間)
今回は、基本的なスペックを中心に評価しました。次回以降は装着性、音質面やBluetoothの接続性や遅延などの評価をお送りしたいと思います。
製品情報
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