今回紹介するイヤホンは先月末発売された Apple のイヤホン AirPods Pro です。
発表当日(10/29)に予約し、ようやく先日(11/15)に到着しました。ちょうど、移動前に届いたので、早速金、土と2日程度使ってみたので使用感などをレビューしたいなと思います。
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ようやく届きました。 |
基本情報
- メーカー:Apple
- 製品名:AirPods Pro
- スペック(ifixitのサイトより推測出来るものは記載)
- ドライバー構成:非公開(1ダイナミック)
- インピーダンス:非公開
- 音圧感度:非公開
- 応答周波数:非公開
- Blutooth:Ver.5.0
- 防水性能:IPX4(防滴仕様)
- 対応コーデック:非公開(SBC, AAC)
- 重量:5.4g(イヤホン本体1つにつき)、45.6g(バッテリーケース)
- 本体カラー:ホワイト
- イヤーチップ(イヤーピース):専用のイヤーチップのみとなっています。
現在日本で付属品購入が可能かは不明。アメリカでは$4程度で入手できるようです。まだ準備段階で日本でも販売される準備が整えば、500~600円程度での販売になるのでしょうか?消耗品となる部分ですので、お値段は気になりますね。
※JVCの新しいイヤーチップ「スパイラルドット++」は強気すぎの3000円強で販売されててひっくり返りましたし。
※いつもだと「イヤーピース」で記述しますが、今回はApple公式の記述に合わせて「イヤーチップ」で記載します。
製品外観と装着感
製品の外観などは、数多くのレビュー記事がWeb上に溢れていますので、そちらへお譲りしたいなと思います。
ケースの大きさは、非常にコンパクトです。比較として、愛用している BOSE SOUNDSPORT FREE のケースと比較しても、3分の1くらいしかないのではないでしょうか。
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AirPods Pro(下) と SOUNDSPORT FREE(上) のケースの比較 |
装着感は、EarPods や AirPodsのオンイヤー型からカナル型に近いインイヤー型へ変更されています。一番近いのは BOSE の SOUNDSPORT FREE で使用されている Stay hear チップに近く、「耳穴へ押し込む」と言う表現よりも「耳穴に被せる」という表現が正しい装着時の感想になるかと思います。それくらい軽い感触なので聴き疲れが少ないです。
私自身、 BOSE SOUNDSPORT FREE 実機を愛用している手前、装着には苦労しませんでした。
アクティブノイズキャンセリング機能
AirPods Pro の目玉機能として、「アクティブノイズキャンセリング機能」があります。
この機能は非常によくできていて、バス通りで走る自動車の音などの騒音を可能な限り打ち消してくれています。ノイズキャンセリング機能としては違和感がほとんど無く、他のノイズキャンセリング機能を有しているイヤホンやヘッドホンよりも圧迫感を感じません。これはノイズキャンセリング OFF から ON にしたときも同様で、スーッと周囲の雑音が消えていく感覚です。このあたりは外縁マイクで毎秒200回のモニタリングをしている恩恵なのでしょう。静かな屋内でのPCファンの音などが煩わしく感じるときが多くありますが、ノイズキャンセリング機能が有効だとその煩わしさが一気になくなります。このサイズでこのノイズキャンセル機能を実現しているのを目の当たりにすると、技術の日進月歩に感心することしきりです。
外音取込機能
そして、 AirPods Pro の機能で優秀なのが外音取込機能です。これは一時的に外部の音もスイッチによる切替で取り込むことが出来る機能です。この機能、使えば使うほど優秀なのがよく分かります。切り替えた段階で切替音と同時に外部の音がほとんど自然な状態で聞こえてきます。どのくらい自然かというと、イヤホンを外しても違和感を余り感じられないほどです。実際に外部から聞こえてくる音量とほとんど変わらないように設計されているのでしょうが、それをやってのける Apple 侮れません。
これは実際に体験してもらわないと分からないかなと思います。
楽曲試聴
楽曲試聴をしてみたいと思います。今回は、iPhoneでの確認です。事前に AirPods Pro の「イヤーチップ装着状態テスト」で装着状態が問題ないことを確認してからテストしています。
今回は、使用環境にある「iTunes」と「Amazon Music」からチョイスして聴いてみます。「iTunes」からはアイマス楽曲、「Amazon Music」からは Jazz をチョイスしています。
※「イヤーチップ装着状態テスト」機能は本当に便利です。サイズの合ったイヤーチップでの音の聞こえ方は覚えておくと今後にも役立ちます。
試聴環境
- DAP:iPhone XR
- 音量:50くらい
- 設定:ノイズキャンセリング ON
試聴楽曲
- dans l'obscurité(iTunes, アイドルマスターミリオンライブより)
MTWシリーズより、七尾百合子、永吉昴、ロコ、望月杏奈、真壁瑞希のユニット「Chrono-Lexica」の楽曲。EDM系の楽曲で音の連打が潰れずに聞こえます。ただ、低音の量感がもう少し欲しく感じました。なので、全体的に軽く感じてしまいました。ボーカル5名の歌声は各々聞き分けできました。
- White Vows(iTunes, アイドルマスターミリオンライブより)
ミリオンライブに遂に登場した待望のウェディングソング。大人組の豊川風花、馬場このみ、百瀬莉緒、二階堂千鶴、桜守歌織がメンバー。
サビの「White Vows」の高音の伸びがとても印象的で、歌詞も四季を通し恋人への想いを綴ったステキな楽曲です。バイオリンとベース、ドラム、ピアノのバックに乗せた彼女たちのボーカルがバランス良く響きます。ラストのピアノの響きは良かったです。
- アルストロメリア(iTunes, アイドルマスターシャイニーカラーズより)
シャイニーカラーズイチオシのユニットアルストロメリアのユニット名がそのまま楽曲名となっている、アイマスシリーズでも珍しい楽曲。中高音メインの楽曲でリズムとなるクラップも小気味よく響いてくれます。ピアノも高音部が活躍する曲でこちらもそつなく鳴らせていました。
- Just in Time(Amazon Music, Sonny Rollins on Sax)
サックスとピアノ、コントラバス、ドラムスの小編成による楽曲。小気味よいコントラバスとドラムのリズムに乗せて、ピアノとサックスの競演。ドラムのタムとバスドラ、コントラバスの音がしっかり聞こえます。安物のイヤホンだと特にコントラバスの低音が聞こえにくかったりすることがありますがそれが全く感じられず、耳の中で優しく響いてくれます。ハイハットの高音も刺さることもなく埋もれず耳に届きます。
- Fly Me To The Moon(Amazon Music, Frank Sinatra)
フランク・シナトラと言えば、My way と並んで名曲中の名曲の Fly Me To The Moon。Amazon Music で提供されているアルバムではほとんどがリマスタリングされているようです。当時の録音が更に鮮明になっていて、1950年代から半世紀以上経っているのにも関わらず、色褪せない彼の低音ボイスはファンには堪りません。
試聴所感
全体的にバランス良く響かせられており、イヤホンのクォリティも Apple らしいバランスの良い製品ではないかなと思いました。
個人的には、若干低音のパワーが抑えられている印象ですが、分解能が思いのほか高いイヤホンかなと感じました。どのジャンルもそつなく鳴らしてくれるかと思いますが、古いクラシックの名盤など曲によっては迫力に欠けた感じになるかもしれません。
無線接続(Bluetooth)の遅延
AirPods Pro の無線接続ですが、独自のH1チップの性能のおかげで極限まで遅延の発生しない優秀な製品に仕上がっています。しかしながら、それでもリズムゲームなどのタイミングにシビアなアプリケーションを使用する場合は注意が必要です。
私が一番プレイしている「アイドルマスター ミリオンライブ シアターデイズ」での例を出してみたいと思いますが、以下のスクリーンショット2枚をご確認ください。
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EarPods を使用してのプレイしたの場合 |
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AirPods Pro を使用してプレイした場合 |
上掲2枚のスクリーンショットは自分が一番得意にしている楽曲【プリムラ】のMILLON MIXでのリザルト画面です。1枚目は有線イヤホン(この場合は EarPods)を使用した場合の一例です。2枚目が AirPods Pro を使用してプレイした場合のスコアです。
上掲スクリーンショットで注目して頂きたいのは Perfect の個数です。このプリムラだけは練習に練習を重ねて、有線イヤホンでプレイした場合、平均して Perfect率 93~95%以上は出せるようにまでになりました。
しかしながら、AirPods Pro を使用した場合、微妙なズレが発生して頭の中で誤差修正をしながらのプレイとなるので心持ち遅れがちなプレイになってしまいます。この遅延はどうしても発生してしまう遅延で、この点はさすがの Apple でも限界があるところのようです。それでも今までの使用してきた無線タイプのイヤホンの中でプレイしやすいイヤホンになると思います。
総括
Apple 製品を使用されている方には、真っ先に選択肢の1つに挙げていい製品です。というか、Apple 製品使っているなら外出時のワイヤレスイヤホンはこれだけでも良いと思います。長期の旅行でもケース含めて合計で24時間程度の再生が可能だそうですし、イヤホン単体でも最大4.5~5時間なので十分に日常使いに困ることは無いと思います。逆に言えば、 Apple 製品以外を使用している方は候補に出来ないかと思います。Apple 製品との組み合わせありきのイヤホンです。
装着感については、今までレビューを含めて使用してきたイヤホンの中でもダントツの装着感です。Ear Pods や Pro でない AirPods はイヤホン本体が滑るので、落下や外れやすいという問題を抱えていました。しかし、 AirPods Pro はシリコンのイヤーチップが装着されたおかげで外れやすいという問題を克服しています。
また、IPX4相当の防滴対応なので、多少の汗や雨にも強くなりました。さすがにIPX4だとシャワーとかは推奨されていないので、お風呂などで使用するのは控えた方が良さそうです。
音質は、非常にバランスのとれた音質でどの楽曲でもそつなくこなせるかと思います。個人的には若干低音が少なめの印象を受けました。
アクティブノイズキャンセリング機能、外音取込機能も優秀で Apple 製品のユーザービリティを第一に考えられた製品ですね。この点は他のレビューサイトなどを見ても同様な意見が多く見られました。
金額が Apple Care 込みで35000円ほどになってしまいますが、補償2年とノイズキャンセリング機能の搭載されたイヤホンと考えれば妥当な金額の製品です。
これからクリスマスに向けて、Apple 製品を使用されている方はプレゼントや自分のご褒美にいかがでしょうか。